【検証&愛と哀しみの埼玉の歴史】知られざる埼玉の鉄道計画! その1

お世話になっております。

昨日は氷点下になりましたが、大栄橋のところを通ったらつららができていました。

大宮でつららなんて、生きていて初めて見たぞ。

 

今回は、割とお留守にしていたこちらのネタをいっしょくたにしてお送りいたします。

長くなりそうだけど、何日くらいやろうかなー。

 

 

大江戸線が埼玉に!?

沿線自治体が遂に動く

突然ですが、我が郷土埼玉について、先週こんなニュースがありました。

以下、ヤフーニュースから。

19日、地下鉄12号線=都営大江戸線の県内への延伸について、延伸部分にかかる新座市や所沢市などで構成される協議会のメンバーが、上田知事に協力を求める要望書を提出しました。

協議会の会長を務める新座市の並木傑市長や、副会長の所沢市の藤本正人市長など協議会のメンバー7人が上田知事を訪ね、知事に協力を求める要望書を提出しました。

~中略~

並木市長は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、公共交通網の要として、大江戸線の重要性は今後ますます高まる」と強調しました。これを受け、上田知事は、「3市1区が今後も一糸乱れずに活動できるよう、県として東京都と協力した体制づくりを進めたい」と話しました。

(地下鉄12号線 埼玉県内への延伸を要望ーテレ玉 2018/1/19)

なんと、東京の地下をぐるっと回る、都営地下鉄の大江戸線を、埼玉県内に延伸させようと、その沿線になりうる県内の各自治体の首長が、上田清司県知事に要望書を提出したというのです!

ぎょえ~、さいたま市も負けてられないな。

 

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人口減少社会にも関わらず

ご存知のように、少子高齢化が急速な勢いで進行している我が国日本。

すでに死亡率が出生率を上回り、本格的な人口減少社会に突入しています。

埼玉県とて、今のところは人口は増加か横ばいとなっていますが、いつこれが減少に転じてもおかしくはありません。

人口の減少に伴い、公共施設や道路、そして鉄道といった社会インフラも利用者の減少が見込まれます。

そのような時代にあっては、新規の社会インフラ整備もなかなかためらわれるものですが、今回の大江戸線に限らず、ここ埼玉には構想段階ではあるのの、いつの日か実現される可能性がある鉄道新線・延伸の計画が数多く眠っていることを、皆様はご存知でしょうか。

今回の件に絡めて、ご紹介できればと思います。

 

 

現在構想中の都心直結鉄道路線計画

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都営大江戸線延伸(光が丘~東所沢)

まあ、まずは今回話題になった大江戸線の延伸について、ちょっと説明していきましょう。

 

県西部から都心へ直結

現在は東京・練馬区の光が丘駅が起点となっている大江戸線。

この起点を、アニメで有名な大泉学園町を経由して、東京の清瀬市、そして埼玉県の新座市を通って、最後は武蔵野線が停まる東所沢駅まで持ってこようという計画です。

この計画によって、東京北西部や北多摩北部、そして埼玉県南西部と都心部とのアクセス利便性の向上といった効果があるとされています。

 

都内は希望があるものの

このうち、光が丘から大泉学園町までの区間では、道路の整備も進んでいるため、あとは事業化に向けて沿線自治体や鉄道事業者、この場合は都営地下鉄なのでしょうが、などの関係団体が費用負担などの調整を進めれば、実行可能性がぐっと高まるとされています。

しかし、大泉学園町から県境をまたいだ東所沢までの区間については、事業性に課題があるということ、なにより東京都と埼玉県にまたがる路線であるため、沿線自治体が協調して計画の実現に向けて動いていくことが必要不可欠です。

 

採算性だけでなく

この計画の厄介なところは、事業性もそうですが、延伸したい路線が都営地下鉄であるということ。

もしも進めるとしたら、沿線自治体や近隣の鉄道会社などが出資をしあう第三セクターの事業者を立てるところでしょうが、後述する埼玉高速鉄道のように、高い建設費からどうしても赤字体質になってしまうのがデメリットなんですよね。

 

とはいえ、新座市や所沢市といった周辺自治体にとっては悲願の計画。

これを機に、うまいこと進んでほしいものです。

 

埼玉高速鉄道線延伸(浦和美園~岩槻~蓮田)

もうすぐ開業20周年に…

そして、県内の鉄道計画と言えば、これも結構メジャー

言わずと知れた、埼玉高速鉄道です。

現在は地下鉄南北線と直通して、赤羽岩淵から荒川を渡って埼玉に入り、川口市の東側を北上し、埼スタ近くの浦和美園までを結んでいます。

最近はそうでもないのですが、当初は普段利用客はいないのにサッカーの試合になると急に利用客が増えて、いろいろと話題になりましたね。

そして、上述のように県やさいたま市が出資する第三セクターのこの路線は赤字額も多く、運賃がちと高めなのも…。

2002年のサッカーワールドカップの目前2001年に開業したこの路線も、もうじき開業20周年を迎えようとしています。

早いものですね。

 

まだまだ旅は終わらない

現在は浦和美園という埼スタとイオン以外に何もないちょっぴり中途半端なところで終わってしまっている埼玉高速鉄道線ですが、昔から言われているように、ここからさらに北上して岩槻、そしてその先の蓮田までの延伸構想があります。

こうすることで、宇都宮線や埼京線に代わる、都心直結路線になることが期待される、のですが…。

 

課題は事業性

この計画の一番のネックは事業性。

つまり、高い建設費をかけて開業させても、沿線人口の少なさに起因する利用客の少なさで、建設費を回収できない可能性が高いということです。

そのため、需要の創出に繋がる沿線開発や交流人口の増加に向けた取り組みが欠かせません。

主にさいたま市が担うことになりそうですが、一日や二日では成し遂げられないことではあるので、10年20年と長いスパンでこうした取り組みを進めていくしかなさそうですね。

 

地下鉄有楽町線延伸(押上~越谷レイクタウン?~松伏町?~野田市)

松伏町悲願の鉄道

春日部の南、埼玉県の東部に位置する、人口3万の松伏町。

東京からもそこそこ近く、千葉からも近いのですが、この町には周辺自治体と異なり鉄道がとおっていません。

そのため町民の皆さんはバスや自転車などで越谷や春日部へ、あるいは県をまたいで千葉の野田市へ出て鉄道を利用せざるを得ない状況にあります。

 

しかし、そんな状況を打開しうる鉄道計画があるのです!

 

八潮に越谷に、松伏も!?

それがこちら。

現在東武伊勢崎線にも直通している地下鉄半蔵門線を、押上から葛飾区の亀有、そして八潮や越谷レイクタウンを通って野田市まで延伸しようという壮大な計画です。

松伏を通るかどうかはまだ決まっていませんが、これなら松伏にも鉄道が通るチャンスは十二分にあります!

石川遼も喜ぶってものよ!

しかし例のごとく…

だがしかし、問題はこれとこれ。

すなわちお金と、誰が運営主体になるかということです。

 

押上~野田市まで建設した場合、費用は6000億にも上るといわれています。

談合で話題の9兆円リニアに比べればカワイイものかもしれませんが、それでも沿線自治体にとっては莫大な負担となります。

 

そして、運営主体もどこになるのかが不明瞭です。

東京メトロがやればええやんと思われるかもしれませんが、完全民営化を目指している同社としては、できる限り赤字を増やしたくないもの。

それゆえ、第三セクターによる運営の可能性が高いのですが、今回は墨田区や葛飾区に千葉県野田市、そして県内では八潮市や越谷市、ひょっとしたら松伏町と、沿線自治体も数多く存在しています。

そうした中でいかに合意形成をしていくかということも、これまた難しそうです。

 

どうやら開通までには、長いトンネルをくぐらないといけなさそうですね。

ちなみにその南では

今回は押上から野田市までの計画をお話ししましたが、

その南では、半蔵門線の住吉駅から、途中東陽町を経由して、有楽町線の豊洲まで約5キロを結ぶ、いわゆる豊住線計画も存在しています。

すでに、住吉駅と豊洲駅には、それぞれこの路線を通す設備も用意されているんですよ。

 

こちらについては、2020年のオリンピックを控える東京都としても、特に費用対効果が高いとして、その前後に開業させたいと躍起になっているようです。

施設は沿線の江東区などの自治体が持つ第三セクターとしながらも、運営自体は東京メトロが行うことが有力ですって。

 

 

ちょっと長くなりましたけど、次回は都内直結ではなく、埼玉県内や東京以外の県を結ぶ鉄道計画をお話ししようと思います。

歴史成分もちょっと入ってきますよ。

 

では、次回も発車オーライ!

 

つづく

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