【埼事記 2023/3/26】WBC優勝 野球の街・大宮のススメ

■"Take me out to the ball game, Take me out with the crowd; Buy me some peanuts and Cracker Jack, I don't care if I never get back."

115年前に米国で製作されたノベルティソング「私を野球に連れてって」の一節だ。

野球好きな女性が彼氏に野球場へ連れて行くことを頼む内容になっているが、お供にピーナッツとクラッカージャックも買ってくれととてもワクワクしている様子が伝わってくる。

プレイするだけでなく観るのもとても楽しいのは今も昔も同じだ。

■侍ジャパンが念願の王座奪還を成し遂げた。

去る3/21、野球の世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)第5回大会で侍ジャパンこと野球日本代表が決勝戦で米国代表を破り3大会ぶりの優勝を果たした。

同決勝も両チームでホームランが乱発されるなど壮絶な打ち合いとなったが、小欄でも取り上げたヌートバー選手はじめ大谷翔平選手らが守備に攻撃に奮闘。サヨナラ勝ちで仕留め、前回優勝の米国から王座を奪還した。

コロナ禍で2021年の開催予定から延期されるなど波乱もあったが、野球大国ニッポンの維持を見せつけた優勝劇となった。偉業を成し遂げた選手はじめ今大会で勇退する栗山英樹監督らスタッフ陣には、最大限の敬意を表したい。

■さて、現在こそJ2・大宮アルディージャのイメージの強い大宮ではあるが、古くから野球文化が強かったことは周知の通りだ。

その象徴が大宮公園に現在もある県営大宮公園野球場だ。1934年の開場以来、プロ野球公式戦はもちろん、社会人野球や高校野球の会場としても長く使われている。埼玉西武ライオンズの準本拠地でもあり、年間数試合の公式戦も行われている。

開場記念に行われたのも日米野球で、あのベーブ・ルースも登板したという。その際は全米が全日本を圧倒したというが、図らずも同決勝も日米野球。時代は下って日本がリベンジを果たしたというところか。

歴史の長い球場だけにエポックメイキングな出来事も多く起きている。70年前の1953年、全国高等学校野球選手権南関東大会1回戦の熊谷高校対千葉県立佐倉第一高等学校(現:千葉県立佐倉高等学校)の試合で佐倉第一高校の4番・遊撃手として登板したのが、当時3年生のミスターこと長嶋茂雄氏だった。試合は4-1で熊谷高校が勝ち同校は甲子園行きを逃したものの、同氏はこの試合で飛距離350フィートの本塁打を放った。この本塁打で中央球界からの注目が集まったとされている。

■改修も多く行われてきたが、築90年近くが経過し「大宮公園スーパーボールパーク構想」の中で建替の話も出てきている。それでも多くの歴史を紡ぎ地域に野球文化を根付かせてきた象徴だけに、そうした伝統と誇りは残して欲しいと感じるばかりである。

直近だと4/13にプロ野球公式戦で西武対千葉ロッテの試合も予定されている。また、恒例の夏の高校野球埼玉大会の会場としても使われる予定だ。プロ野球本拠地の西武ドームも所沢市にあるものの、同大会の決勝には同球場が長年使われている。このことからも、地域にとっても同球場が特別な場所であることは容易に想像できる。

神社に盆栽に鉄道に野球。様々な視点で地域を見つめ直すとまた違ったもの見えてくる。いつもの説教臭い感じではないが、桜のシーズンだけに野球の街大宮を楽しんでみてはどうだろうか。

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