【埼事記 2022/11/27】自虐史観とW杯大金星 未来志向で自虐払拭を

■「歴史の目的は、過去の実例によってわれわれの欲望とか行動を導くような知識を教えることにある」

16〜17世紀の英国でエリザベス1世に仕え、詩人や探検家としても活躍したウォルター・ローリー(1554〜1618)の言葉だ。自身もカトリックへの忌避感からプロテスタント寄りの同女王即位後は忠臣として活躍するようになったが、それも自身の経験から起こったことである。

■80年近く前の太平洋戦争での敗戦後、我が国では自虐史観が流布している。

皇国主義の戦前体制を否定し、南京大虐殺や従軍慰安婦問題といった歴史的事実から「日本は侵略者だった」と伝える風潮が強い。歴史の教科書における記載も今日におけるまで問題になっているが、「勝てば官軍」の世界で敗戦国たる我が国が過去行ったことは悪であったというのが特に教育現場における共通認識だった。

今月9日には、「パッチギ!」「焼肉ドラゴン」と在日韓国人の役を演じた女優の真木よう子さんが、韓国メディアでのインタビューで発した言葉が物議を醸した。前者の上映以前は在日韓国人との交流も少なく教科書でも習わなかったが、交流を深めるうちに書物などでその背景を学習。「日本の教科書で教える歴史が恨めしくもあり、過去のことをとても謝罪したかった。若い年齢では私が日本人という事実が恥ずかしくもあった」と振り返った。

この発言は反響を呼び、同氏を「反日」「売国奴」と呼ぶ者もいれば「真木よう子さんは悪くない」と擁護する者もいた。

■そのような中で11/23勤労感謝の日、各国を唸らせる偉業をサムライブルーが成し遂げた。

中東・カタールの地で行われているサッカーW杯カタール大会、酒井宏樹選手や川島永嗣選手と埼玉のJリーグチームにも所縁のある選手も属するサッカー日本代表がグループリーグ初戦で強豪ドイツと対戦。オフサイドでのゴール取り消しからPKで先制されるも後半になって堂安律選手が技ありの同点弾、終盤に浅野拓磨選手が億千金の決勝弾を決めて逆転勝利を挙げた。

「まさか」の勝利に列島では歓喜の声。「翌日も祝日に」という声も上がった。

国外でも、ドイツだけでなく本大会出場を逃した強豪イタリアなどからも健闘を讃える声が上がる。

■この大金星について一部より好ましく思わない声もある。それでも多くの者が喜びの声をあげた。

自虐史観というものを思い起こした頃の偉業であったが、過去の歴史というものはこれ以上変えることはできない。

いくら否定したとしても史実や、もっというと当時を生きた人たちの記憶が残っている限り覆すことはできない。満州国建国に代表されるように日本が戦前に侵略行為を行ったことは紛れも無い史実であり、敗戦国であることも史実だ。

それだけに、勝った負けたの世界では恥ずかしく思うことも無理もない。80年近く経ってもその感覚は簡単に消えることはない。

■サッカーという武力とはかけ離れた勝負の世界で日本のプライド見せつけた勝利だが、過去は変えられなくとも未来は変えられる。

そもそも未来というのもどうなるか全く見えないものであり、一寸先は闇とも光とも言える。未来へ進んでいくのに必要なのは武力ではない。自身と他者を思いやる心と自らへの自信がその糧になる。

「あらゆる歴史は、天国と地獄の両極端の間にある世界の振動の記録にすぎない。一期間というのは、その振子のひと振りにすぎないのに、各時代の人々は、世界がつねに動いているので進歩しているのだと思っている」

バーナード・ショー(1856〜1950)「人と超人-三幕」の一節だ。それまでは地獄に振れていたとしても、まだまだ天国は遠い。

「恥ずかしい」負の歴史があったとしても、誇れる未来を創る権利はあるのだ。

■さて、本日19時からグループリーグ第2戦のコスタリカ戦が始まる。

7大会連続でW杯出場をつかんだ日本だが、「グループリーグ敗退」「ベスト16」の繰り返しの歴史であった。この流れでいけば、今大会では前者となってしまう。

この歴史の営みを打ち破って天国へ振り切っていけるか、先の大金星が「まぐれ」でなく強くなったニッポンの賜物と示していけるか。森保一監督の采配に注目だ。

バモニッポン。サッカーどころ埼玉からエールを贈る。

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