【埼事記 2021/1/28】現旧が迎えた節目 20年目のさいたま市長の座は誰に

■海を隔てた米国では1/20、4年間のトランプ政権が幕を閉じバイデン政権が始まった。

大統領選での敗北に納得のいかない一部のトランプ支持者が暴走し議会などに侵入、トランプ氏もSNSのアカウントが停止されるなど国内外で大きな話題になった。結果的に同氏はホワイトハウスから去り、新たな大統領が生まれた。世界規模のコロナ禍で予断を許さない中、アジア方面への造詣が深いバイデン氏がどのような外交を繰り広げるか日本はじめ各国で期待が高まっている。

■そして翻って我が郷。「新」はまだわからないが、現旧の為政者が次なる局面に入った。何を隠そう、さいたま市長である。

1/25に前職で初代さいたま市長の相川宗一氏が亡くなったと報じられた。死因は慢性呼吸不全で享年78。

旧浦和市出身の同氏は3期の埼玉県議を経て、1991年より同市長を3期歴任。2001年の同・大宮・与野市合併でのさいたま市誕生に際しても市長選に出馬、旧大宮市長の新藤享弘氏を破って当選を果たした。

その後は誕生間もないさいたま市のトップとしてさいたま新都心や浦和美園をはじめとした新興地区の開発や2003年の政令指定都市化や2005年の旧岩槻市合併などに奔走。130万都市たる市の礎を築いた。

しかし、3選を目指した2009年の市長選では現職の清水勇人氏に敗北。そのまま政界を引退しての死去となった。

■そして同年より3期市長を務める清水氏も1/28、今年5月に自身の任期満了に伴い行われる市長選への立候補を正式に表明した。

新型コロナウイルスとの闘いが続き社会・経済面で地域が危機に瀕する中、これまでの実績をもとに医療体制の整備などによる早期の回復が使命としての立候補になる。市の人口が減少に転じると予測される2030年までの期間にも様々な政策を講じたいという。

自身の進退については明言を避けてきた中で、最重要人物が声をあげた。市議会最大会派の民主改革などは同氏支持に回る見込みだ。

■同市長選へ向けては同日、共産党系の市民団体「みんなのさいたま市をつくる会」の前島英男氏も立候補を表明している。格差が広がっている中でそれに一石を投じるための立候補という。

また、市議会さいたま自民党は対立候補擁立を断念し自主投票に切り替える。ただ立候補を断念した桶本大輔氏が属する自民系第二会派の同党さいたま市議団は、引き続き候補擁立を模索しているという報道もある。

■市誕生20年となる2021年。直前に旧大宮市最後の市長だった新藤氏が、年明けに旧浦和市最後かつ初代さいたま市長だった相川氏がそれぞれ鬼籍に入った。相川氏死去と同じタイミングで、現職の清水氏は5月の市長選への立候補を表明した。

過去と今がくっきり分かれたようにも見える。

これは偶然なのか、それとも必然なのか。

■なんにせよ20年という節目の年に、市長職においても節目が来ていると見える。

1/24に行われた川越市長選挙では現職の川合善明氏が4選を果たした。昨年の東京都知事選挙では小池百合子氏が2選を果たすなど、移動・接触制限が課されているコロナ禍では現職優位との見方もある。

清水氏も4選に向けて本格的に動き出したが、勝負はまだ見えず。いったいどのような選挙戦が繰り広げられるのか。20年目の節目の年は、なかなかに手に汗握らされる一年になりそうだ。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事