【埼事記 2020/8/24】地域新聞ショッパー休刊へ ネット時代に紙媒体のススメ

ショッパー社が発行している地域新聞ショッパーの大宮・さいたま新都心版などが、今週8/28号の発行をもって休刊となる。

40年近くにわたり発刊されていた同紙。毎週金曜になるとポストに入っていて、地域で活躍する人々や新店舗や求人広告など様々な地域情報が見られた。「ライバルメディア」ながら、今回の休刊は大変残念に感じる。

普段はウェブ関係の仕事に携わっている小生も、一時期家具・インテリアを扱う企業・小売店に向けた新聞の編集・営業に携わっていたことがある。いわゆる業界紙というものだ。時に海外の展示会やメーカー訪問で取材に行くこともあったが、そちらの新聞も紙媒体が中心だった。

購読者の高齢化やネットの発達により、広告営業をしてもなかなか成約にならない、購読解除の申し出が日々届く。そのような光景を日常茶飯事のように見ていた。

それだけに、小生個人としても今回の休刊についてはなお一層のこと残念に感じる。

今でこそネットという舞台で地域情報の発信に努めてはいるが、紙媒体の良さというものも日々感じている。

その一つが正確性や内容へのこだわりだ。確かにネットは速報性に富んでいる。しかしデマ情報も多く、さらに後から書き換えることもできるのでいまいち正確性という面では紙媒体には劣っている。この点、紙媒体は一度発行すると訂正が効かない。だからこそ正確性が求められ、内容に関しても構成や読みやすさなどでかなりこだわりが入っている。小生も記者時代は筆不精でどちらかというと締め切りに追われるタイプであったが、その時に感じたことや身につけたことは当サイトでの記事作成にも踏襲されていると自負する。

そして、一つの情報だけでなくたくさんの情報が一度に得られるというのも紙媒体の大きな魅力。ネットであれば「大宮 グルメ」などと検索して、そこで出てきたサイトやブログなどを見ることが多いことだろう。事実当サイトも検索結果に表示されており、そこからの流入も少なくない。しかし検索結果に出たサイトやブログの一部分は見るも、目的が果たせればそれ以上別の記事などはなかなか見ないのではないだろうか。紙媒体の場合は一つの紙面に新店舗やカルチャースクールや漢方コラムと様々な情報が散りばめられている。お目当ての記事を読んでいても、つい他の記事に目移りしてしまう。

加えて、じっくり読める点も大きい。ネットの場合はスマホで見られることが多いが、電池も減ることから長時間見るということは少ない。一方紙媒体に電池切れはない。だから長い時間をかけてじっくり読んでいくことができる。

IT・デジタル化が進む中で紙媒体はますます窮地に陥っている。読むのに時間がかかるなど非効率な面もある紙媒体は「コスパが悪い」のかもしれない。

しかしネットにはネットの紙には紙の良さがあり、相互に補完しあっている。だから紙媒体自体は、今は苦しくとも、完全になくなることはないのかもしれない。たまに目を通すだけでも、日々の生活は大きく変わってくることだろう。

そのような中でも、ライバルにして同志だった同紙が休刊になることは大変残念ではある。それでも紙媒体にも携わった身としては、紙媒体の良さもサイト運営に活かしつつ、同紙の精神を受け継ぎ地域活性化に寄与していく決心だ。

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