【埼事記 2020/8/20】コロナは「好機」 県議・市町村議よ、今こそ活躍の時だ

埼玉県議会では、昨年度分の県議会の政務活動費について使い道を示す領収書などの証拠書類1万8983件の一般公開が始まっている。

同費は議員の調査研究など活動のために交付される経費で、議員1人あたり月額50万円が会派ごとに支給される。昨年度の交付額は合計5億5300万円で、このうち約9割が使用されたという。

気になる用途について、広報費が全体の36.3%と多数を占める。一方で政策立案にむけた調査研究費は3.49%に留まっているそうだ。

このことについて近しい県議にも状況を聞いた。人件費や事務所費など毎月かかる経費は多いが、会ごとに県政報告としてリーフレットを作成してポスティングや新聞折り込みなどに広報費として同費を充てている。特にリーフレット類は毎回出している議員が多いので、広報費が高くなる一因になっているという。

翻って目下は新型コロナウイルスが感染拡大を見せ、人と人同士が直接触れ合う機会も少なくなってきている。定例・臨時会後にはよく駅前で各議員がリーフレット類を配布しているが、それも難しくなりつつある。加えて、同ウイルス感染拡大による生活苦や事業継続の困難さなどにより、各種施策を期待する市民の声は日に日に高まりを見せている。

話を聞いた県議も、県政はあまり身近に感じてもらえていない現状があるので少しでも周知・発信していきたいと語っている。しかし、このような状況は逆に好機なのかもしれない。

街頭での配布が難しければインターネットやSNSを活用して活動報告を行うことができる。そうなれば当然広報費も低く抑えられることだろう。加えて国民生活の大枠を決める国政とは異なり、県政・市町村政は対象が狭いだけにより地域住民に根ざして痒い所に手が届く政策を提言・実行できる。だからこそ、県議・市町村議にとってはより活躍できる大きな機会が到来していると言えるのだ。

とかく議員と言われると「汚職」や「不貞」などどちらかというとネガティブな印象を持たれることが多い。確かにそのようなことに手を染める者も存在はするが、大多数は市民のために日夜泥臭く汗を流している。

議員というのは本来は市民の代弁者だ。衆議院議員のことを代議士と呼ぶ向きもあるが、そのスタンスは地方議会においても同様だ。

エッセンシャルワーカーや医療従事者などコロナ禍下で日夜頑張っている人々にはもちろん、今こそ一層の活躍が期待される県議・市町村議にもエールを贈りたい。政党や主義など違いはあれど、我々市民の代弁者であり地域のために日夜動いていることは皆同じだ。

たとえ見えにくいものであっても、誰かの汗や苦労により我々は日々支えられている。このことを肝に銘じ、コロナ禍を乗り切っていこう。

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