施設・商品の物語届ける サデコMONOがたりがオープン1ヶ月

埼玉デザイン協議会(川口市上青木、竹田良雄代表理事)が運営するオンラインストアで、さいたま市内障がい者施設で製作された商品を扱う「サデコMONOがたり」が、10日でオープン1ヶ月を迎える。

これまでの福祉のイメージを覆す商品を、製作する施設や商品自体の物語と共に自信を持って提供する。

サデコMONOがたりとは

開設経緯

さいたま市障害者総合支援センターの支援のもと、同市内障がい者施設で製作された商品を販売する同ストア。

障がい者の多くは一般企業での就労が難しいため、施設で働きながら生産した商品の売上を元に収入を得ている。どれだけ良い商品を作っていても、施設単位での販売活動では認知度向上や売上増に課題がある。加えて昨今のコロナ禍でイベント中止が相次ぎ、イベント収入が無くなる施設も珍しくない。

そうした状況で苦しい環境でもデザインの力で何かできないかと考え、地域で30年以上にわたり福祉デザイン支援を展開してきた同会が中心となり同ストア開設に至った。商品を通じて施設や商品の物語も届けるオンラインストアとして、ストア名も「サデコMONOがたり」と名付けられた。

ストア概要

同ストアでは「栄一くんとふっかちゃんのクッキー」や「コスタリカぷらびだ村コーヒー」といった食品スイーツ類を中心に、受注生産の苔玉「ぱらたま」や「ねこばさみ」といった生活雑貨やギフトなどを販売。商品そのものの情報はもちろん、フェアトレードや有名パティシエプロデュースなど商品に纏わる裏話やそれを作る施設情報も併せて紹介している。

価格帯は¥1,000〜7,000で、いずれも送料込み。

7/4現在では以下9施設の商品を扱う。

  • 大宮ゆめの園
  • ゆうの樹
  • 埼玉福祉事業協会
  • クオ・ヴァディス
  • すてあーず
  • ぱらだいすかふぇ
  • 春里どんぐりの家
  • ふくふく
  • アトリエ・モモ
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利用者・各施設からの反応

オープン以来ストア利用者数も好調に推移し、オープン20日で1500人を記録。

ストア利用者からも「もっといろいろな商品が見てみたい」といった声が上がっている。

商品を製作する施設においてもストア開設による効果が出てきている。

「WEBでの画像を見せることや商品化された作品を見せることで作り上げた作品への愛着が高まり可愛いという声やもっとやりたいという声が増え、施設内に明るい声と笑顔がふえました」とぱらだいすかふぇ。また、ゆうの樹では自分が関わる製品を家族・知人に紹介したいとチラシを持ち帰る施設利用者も多いという。すてあーずも「利用者さんは、注文が来て直接送り届ける事でお客様に喜んで貰いたいと気持ちがより一層強くなったようです」とのこと。

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地域で考えたり感じて欲しいこと

サイトを通じて、まずは多くの人に障がのある人たちの作る商品に出会い、ただ作るのではなく質にもこだわり作り手が誇りを持って働いていることを知ってほしいとすてあーず。

ぱらだいすかふぇも、障がい者が作る商品にも心を動かす商品がたくさんあることを知って欲しいと同時に、販路拡大や流通経路を直接のルート販売だけでなく商品の素晴らしさに心動かされた時には施設等からの仕入れなども検討してもらえたらとしている。

施設によっては実店舗もあるので、「サイトを通じて製品や施設を知っていただき、地域の皆様にお散歩がてら足を運んでいただけると嬉しいです」とゆうの樹。

地域へのメッセージ

同サイトで掲載している商品は各施設が製作している商品の一部だが、興味を持ったら各施設のHPを見たり施設に足を運んだりしてここをきっかけに交流が生まれることを同会も望む。

またインターネットでの販売という利点を生かし、距離がありながらも同じ志を持つ団体と市や県を跨ぎ協力しながら活動できればと意気込む。

商品の売り上げ向上により「障害者の経済的な自立」「働きがいのある仕事の創出」「障害者の能力向上による社会的役割の獲得」とSDGsの達成も期待できる。

「障害者の商品だから購入してほしいのではなく、素晴らしい技術を持っていて、良いものを作っていることを知って」と同会。

ストアに関する問い合わせ先

公益社団法人埼玉デザイン協議会(サデコ)

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