春はすぐそこ 見沼通船堀で桜咲き始め

新型コロナウイルスの影響でイベントの中止や施設の休館などが相次ぎ、例年とは全く異なる弥生の日々が流れる。

そんな中、季節は着実に春に向かっている。

さいたま市緑区・東浦和駅近くの見沼通船堀でも桜が咲き始めているようだ。

おことわり
以下に記す桜の開花状況は3/15(日)時点のものです。
天候や時期によって日々開花状況は変化しますので、あくまで参考程度に捉えてください。

見沼通船堀とは?

その歴史・仕組み

見沼通船堀は、世界灌漑遺産にも指定された見沼代用水東縁及び西縁とその間を流れる芝川を結ぶ閘門(こうもん)式運河で、同用水の建設指揮にあたった井沢弥惣兵衛らにより享保年間の1731年に作られた。

通船という名前の通り、船を通すための運河で3mほど高い同用水と同川の標高の違いを利用して水を貯める閘門が4カ所設けられている。門を操作して水の量を調節することで船が各閘門の間を利用し同用水へと至るようにする。

同様の仕組みを持つ運河にパナマ運河(1914年完成)があるが、その100年以上前から稼働していたのが同堀だ。

このようにして完成された同堀は同用水周辺でとれた年貢米や各種商品の運搬に用いられてきた。昭和初期からは鉄道網の発展などにより利用されていないが、1982年には国の史跡に指定されている。

開閉実演について

毎年8月下旬には舟運が行われていた当時の姿を再現しようと、開閉実演が地域の皆様の手により行われている。

その際には見沼通船舟歌が保存会の皆様により歌われる。これは通船に携わった船頭が舟の操作に合わせて口ずさんだという作業歌で、七七七五調のリズムが特徴だ。

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春の足音とともに巡る通船堀

入口付近の公園

同堀への最寄りはJR武蔵野線東浦和駅。

駅の西へ5分ほど歩くと同用水西縁から同堀が分岐する場所がある。ここから同堀西縁がはじまる。

ちょうど西縁がはじまる場所には見沼通船堀公園が整備されている。日当たりの良い広々とした広場に和の風流感じさせる竹林が特徴だ。

近くにはスーパーマーケットもあるので、天気のいい日は広場でレジャーシートを広げて弁当を食べるのもいいかもしれない。

歩いて見つける春の足音

遊歩道として整備されている同堀沿いを歩いていく。以前取り上げた野火止用水のように都市近郊にありながら昔ながらの自然が色濃く残っているのが見てとれる。

同用水も日本一の桜回廊として名を馳せているが、同堀にも桜の木が植えられており、これからの時期は歩く者に癒しのひと時をもたらすことだろう。

一部の木で蕾が開く

そんな木々を見ていると、ところどころ蕾が開いているものがある。

この前日に東京・靖国神社で史上最速の開花宣言がなされたが、木全体とは言わないものの埼玉の同堀沿いでも開花しているのが見てとれる。

咲いている木の割合も1割にも満たない印象だが、来週再来週ともなれば見頃を迎えるのではないだろうか。

足元にも春の兆し

桜に目が行きがちだが、足元にも春の足音の近づきを感じる。

同堀沿いを歩いているとところどころスミレの花が咲いているのがわかる。桜と同じくこちらも少し早く冬越しを終えたようだ。

静寂の中「ホーホケキョ」とウグイスの鳴き声もこだまし、着実に春が来ているという実感が持てる。もう少しすればツバメも飛んでくるし、タンポポも咲くことだろう。

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