継続は宝なり 毎月第3日曜開催・岩槻安穏朝市が100回目前

毎月第3日曜に浄源寺駐車場(岩槻区太田)で行われ今年7月より再開した岩槻安穏朝市が、まもなく100回を迎える。

11/20(日)の第97回開催では、子ども連れ客にも配慮した企画も用意。朝早くから買い物を楽しむ来場客で賑わった。

価値にこだわる地域の見本市

2013年より開催されている同市は、野菜の直販をはじめ生活雑貨や包丁研ぎといった生活サービスやグルメ販売など、地域の事業者らによる手作りの朝市。築地本願寺の朝市に着想を得て、同寺協力のもとで行われてきた。

始めるにあたって先代住職から「本物を揃え、消費者に価値を伝える場であれ」と言葉をもらったと、主催の「岩槻は朝市からはじまる。の会」豊島亮介代表は振り返る。同区では古くより雛人形の生産が行われてきたが、伝統の技法を生かして生まれたモノには価値が宿り、価値もまたモノから生まれる。地域の見本市として、価値を追求した地域の商品・サービスを集めている。

コロナ禍で2020年2月の開催を最後に中断していたが、再開を期待する声に応えて今年7月に時間を短縮しつつ再開。翌8月開催は感染拡大で中止になったものの、100回まであと一歩というところまできた。コロナ前は行列ができることもあったが、ウィズコロナの今では少なくなったという。4〜500名程度が来場するが、シニア層よりも子どもを連れたファミリー層の来場も増加傾向。メールマガジン登録での100円クーポンも、来場客には好評だ。

朝市で触れ合う地域特産

同市の目玉は数量限定の野菜直販。ほうれん草やみかんやジャガイモなど多彩な野菜が100円程度で販売され、多くの来場客が買い求めた。おかず用に野菜を購入したという同区在住の男性は「地元のものを買う機会がまたできてうれしい」と再開を喜ぶ。

だるまなどを製作する岩槻整型(同区末田)は、今年最後の出店で来年の干支・うさぎを象った民芸品を販売。1000円以上の購入で金のだるまもサービス。「馴染み客が多いからこそ、コミュニケーションの場としても楽しみ」と出店者としても喜ぶ。

第1回から出店する生姜の移動販売・金谷商店も生姜のつかみ取りなどを展開。利益を度外視した企画だが、2年ぶりに帰ってきた客も多く「今後も朝市を盛り上げていきたい」と息巻く。

子どもも楽しめる新企画

子ども連れでのファミリー層の来場も増えていることから、会場中央に「みんなの朝市ひろば」が設けられた。三春工務店(同区大島野)協力のもと人工芝に天然木材、使われなくなったおもちゃを用意。靴を脱いで遊ぶ親子の姿も多く見られた。

近隣に在住する6歳の男子は「こういう遊び場があってうれしい」と満足気。

他に、フォトスポットとして巨大恐竜の人形もお目見え。スマートフォンのカメラを向ける来場者も多くいた。

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「100回記念に何か恩返しを」

つながりを生かして手作りで作ってきた同市について「(出店者にとって)時間がかかるかもしれないが、目には見えない何かを掴んで欲しい」と豊島代表。利用者とのコミュニケーションや来店機会や新規商品のアイディア創出など、各出店者で見出してもらえればとしている。

同市を始めるにあたり、同じく先代住職から「継続は力じゃない、宝だよ」と言葉をもらったという。それまでに地域活性化に取り組む者は多くいたが、継続することは多くなかった。それゆえ継続すること自体に希少性があることを訴えている。

早ければ来年2月の開催で100回目の開催となるが、「100回記念に何か恩返しができれば」と豊島代表。コロナ前はじゃんけん大会といった参加企画も実施していたが、それと同じように今まで同市を支えてきた来場客に向けた企画を検討中だ。

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イベント紹介

岩槻安穏朝市

  • 開催日時:毎月第3日曜日 9:00〜12:00(8月は休止)
  • 開催場所:埼玉県さいたま市岩槻区太田1-10-44 浄源寺駐車場
  • 問い合わせ先(岩槻は朝市からはじまる。の会):048-799-0231

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