台風の被害から復興の途にある東松山市の市街地の紹介です。
今回は東松山駅西口にある神社をご紹介いたします。
勝利もたらす神の棲む場所
街をぐるっと巡って東松山駅に帰還。最初に降りたのとは反対側の西口に出ました。
西口は東口ほどビルは建っていませんが、住宅地も近く落ち着いた雰囲気です。
駅近くの大鳥居
そんな駅の近くを歩いていると、大きな朱色の鳥居を発見。
こここそが、和銅の時代よりこの地で崇められている箭弓稲荷神社(やきゅういなりじんじゃ)の入口です。
そのご利益や歴史から日本五大稲荷の一つに数えられることもある、由緒ある神社です。
なぜ箭弓?ー同社の由緒
五穀豊穣を司る保食神(うけもちのかみ)を奉る同社は、奈良時代の712年(和銅5年)に創建。
当初は小さな祠だったようですが、転機となったのはその約300年後となる平安中期の1030年。下総国の城主・平忠常が謀反を起こし、大群で武蔵国川越にまで押し寄せてきました。
その時朝廷は、源頼信を忠常討伐にあたらせました。頼信は河内源氏の始祖で、のちに鎌倉幕府を開く源頼朝は子孫にあたります。
周囲に本陣を張った頼信はこの地にあった野久稲荷神社に戦勝祈願をしていました。夜を徹して祈願をした明け方、矢(箭)の形をした白雲が突如現れ敵を射るかのように飛んで行ったといいます。頼信はこれを神のご加護と信じ、自ら先頭に立ち敵陣に攻め入ると見事忠常軍の制圧に成功します。
こうして頼信は、同社殿の建替を寄進するとともに野久稲荷を箭弓稲荷と改めて呼ぶよう命じたのでした。
以来同社は地域で多くの人々の信仰を集めてきました。
管理人も1日も早い地域の復興を祈願。
洒落でもご利益はアリ!?
保食神を奉る関係で五穀豊穣や、前述の由緒にあるように勝負運や商売繁盛にご利益があるとされる同社。
しかし、境内にはこんなものも。
「やきゅう」という名前から野球にもご利益があると解釈されているようです。
こんなホームベースの形をした絵馬や絵馬掛けはもちろんのこと・・・、
バット型をしたバット絵馬なるものも。
埼玉西武ライオンズの選手たちも頻繁にお参りに来られるそうですが、勝負運にもご利益があることですし野球にも少なからぬご利益があると見て間違い無いでしょう。
重さ420kg!世界一の御朱印
こちらは本殿横にある参集殿。社務所として利用されている同殿にはなにやらスゴイものがある模様。
それがこちら。パッと見わかりづらいですが、実はこれ同社の御朱印を象ったギネス世界記録認定の世界最大の木製ハンコなんです。
縦横長さ1.3m・重さにして420kgの同印は2012年の総鎮座1300周年を記念して作られたもの。人口減少が顕在化しつつある地域の振興策として、県産のケヤキを用いて制作されました。
全国の匠がその手で彫り上げた同印は2016年にギネス世界記録に認定されています。
芸能にご利益!穴宮稲荷
本殿以外にも摂社として境内には穴宮稲荷があります。
これは同社を信仰していた歌舞伎役者・七代目市川團十郎(1791〜1859)が1821年に奉納したもの。同社を強く信仰したことで「狐忠信」「葛の葉」など役どころが難しい演目を演じきったところ連日札止めの大盛況となったことで、その感謝の気持ちを込めて納めたといいます。
以来、芸能や技術向上にご利益がある稲荷として信仰を集めています。