先日2/9(日)にNACK5スタジアム大宮でさいたまシティカップが開催され、J2大宮アルディージャがウルグアイの名門・ナシオナルと対戦した(大宮0-1ナシオナル)。今月末からは大宮・J1浦和レッズともリーグ開幕戦を迎える。
同じタイミングの2/22(土)にはさいたま市ノーマライゼーションカップがサイデン化学アリーナで開催される(主催:さいたま市・日本ブラインドサッカー協会)。ブラインドサッカー女子日本代表と同アルゼンチン選抜が激突する。
ブラインドサッカーとは
競技概要
今回行われるブラインドサッカーは、視覚障がい者に向けたサッカー競技。
フットサルと同じコートで5人制で行われるが、ゴールキーパー以外の4人のフィールドプレイヤーはいずれも全盲である。それゆえ後述するように、視覚が使えない分声の掛け合いや音が大切なスポーツだ。
欧州などでは1980年代から行われてきたが、日本では日韓W杯前年の2001年より普及が始まった。
現在では代表戦をはじめ地域リーグも立ち上がり、広がりを見せている。埼玉からは埼玉T.Wingsが東日本リーグに参加している。
ルールの特徴
目が見えない分、一般的なサッカー・フットサルとルールは大きく異なる。
(日本ブラインドサッカー協会HPより)
全盲とはいっても光を感じられる者や義眼の者もおり、目の見え方は千差万別だ。そこでフィールドプレイヤーにはアイマスクを着用したプレーが求められる。
全盲の選手たちもボールの位置や転がりがわかるよう、ボールは転がると音が出るものを使用する。加えて各選手がボールを奪いに行く際には、選手同士との衝突を防ぐため「ボイ(スペイン語で「行け」)」と声を掛け合う。
また各ゴール裏にはガイドが立っており、選手たちにゴールの位置と距離・角度・シュートのタイミングなどを声で伝える。また、GKや監督もプレー中に声で指示を出す。その分観客席から声や鳴物での応援はできないが、ピッチ上でのコミュニケーションが鍵を握るスポーツと言える。
なお、試合時間は前後半20分ハーフとなる。
パラリンピック競技として
男女で行われているブラインドサッカーだが、各ナショナルチームも国際大会で好成績を収めてきている。
そして8/25に開幕する東京パラリンピックでも男子で正式種目となっている。東京・青海アーバンスポーツ会場で開催され、もちろん開催国たる男子日本代表も出場する。
ただ、女子代表戦は正式種目には至っていない。
一足お先にパラスポーツを体感しよう
同大会の経緯・沿革
2013年より始まった同大会は今回の開催で8回目を迎える。
始まったきっかけはさいたま市が2011年に施行したノーマライゼーション条例。
全国の政令指定都市で初めて制定された同条例では、障がい者への差別及び虐待を禁止するとともに、障がい者の自立及び社会参加を支援するための措置を講じることで、障害の有無にかかわらず等しく市民として個人の尊厳と権利が尊重されその権利を享受することができる地域社会の実現に寄与することを制定目的とする。
#イオン大宮店 4Fで開催中の @JBFA_b_soccer #日本_ブラジル ⚽️
先ほどキックオフとなりました!#ブラインドサッカー だけにいつものように #攻め上がれオレンジ とかできませんが、頑張れ #日本代表 !!! pic.twitter.com/Qwnn5Z5XJ0— み〜て大宮-サイタマ、ツナガル (@miteomiya) March 20, 2017
その理念を体現すべく同大会は行われてきた。そのために選ばれた競技がブラインドサッカーというのも、日本に誇るサッカーどころ・さいたま市らしい選択だ。
2017年の第5回開催までは男子代表だったが、以降は女子代表が出場している。
パラリンピック「前哨戦」としても
22日に迫った今回開催は、女子日本代表がアルゼンチン選抜と対戦する。
男子とは打って変わり女子のナショナルチームは日本とアルゼンチンしかないが、2018年大会において同カードで対戦した際には7-3で日本が勝利を収めている。
女子競技はパラリンピックの種目ではないものの、半年後に迫ったパラリンピックに向けて機運醸成の「前哨戦」になることは間違いない。
サブアリーナで体験しよう
試合自体は14:00に同館メインアリーナで行われるが、10:30の開場から同館では様々な企画が行われる。
特に、サブアリーナではブラインドサッカーをはじめフライングディスクやボッチャといったパラスポーツを体験することができる(10:30〜16:00)。また、会場にはオリパラPRブースも出展する予定だ。
なお試合が行われるメインアリーナでもブラインドサッカー教室が行われる(10:45〜11:50)が、こちらは事前申込制で参加申込は終了している。