軽減税率への対応に遅れ

消費増税に伴う事業者側の対策

そして消費増税とともに予定されているのがいわゆる軽減税率。

「酒類・外食を除く飲食料品」および「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」を対象に、税率を8%に据え置く軽減税率制度が予定されています。実際の販売だけでなく経費処理なども対象です。

加えて区分記載請求書等保存方式も始まります。これは2023年に本格施行となる適格請求書等保存方式(インボイス制度)の前段階として行われるもの。請求書にもしも軽減税率の対象となる品目がある場合はその旨と品目ごとに税率に合わせた税込価格を記載するものです。

なおインボイス制度のもとでは、事業者番号(2021年から発行予定)と各税率に合わせた税抜き価格と税額の記載が求められる予定です。

加えて資本金5000万円以下または常時雇用する従業員数が50名以下の中小企業では、キャッシュレス決済の導入も強制ではないですが求められています。消費者が対象となる企業のお店でキャッシュレス決済め買い物を行うと、最大で購入金額の5%のポイント還元を受けられるようになります(2020年6月まで)

対策としては軽減税率に対応したPOSレジや経理システムの導入、キャッシュ決済の導入や事業者登録などが挙げられます。

県内全体で対応に遅れ

果たして県内企業は、どの程度この軽減税率に対応しているのでしょうか。

その結果が上図。

軽減税率への対応を「実施」(「既に対応済み」「現在対応中」「これから対応する予定」の合計)する企業は34.9%となり、全国平均の40.4%に比較して5.5ポイント下回っていっています

一方で「特に対応していない」が53.5%で全国(49.3%)を4.2ポイント上回り軽減税率への対応の遅れが浮き彫りになりました

小規模事業者ほど未対応


規模別にみると大企業では5割弱の企業で対応を実施・実施予定なのに対して、中小企業・小規模企業と規模が小さくなるほど実施割合は低くなっています

一方で「特に対応していない」と答えた小規模企業は約6割に上っています。

特に対応をしていない企業からは「事務作業が増え、経理も複雑になり、良いところが見当たらない」「8%、10%と混在する制度はやめるべき」といった声が上がっています。

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書き終えての所感

POSレジの再導入にしてもシステム移行にしても、資本面や規模面で劣勢に立たされることの多い中小企業にしてみれば時間もお金も手間もかかることでなかなか軽減税率対策が進んでいない可能性がありそうです。
そして消費増税に反対している割合も小規模になるほど大きい。残された時間は短いですが、中小企業の実情に合った支援策が求められているのでしょう。
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