
来月行われる、ミス・ワールド・ジャパン2019埼玉大会についてご紹介します。
未だ発展途上・女性の社会進出
改善されつつある就労状況
イベントの紹介の前に、我が国や埼玉県内における女性の社会進出の状況、ここでは就労状況について簡単に説明させていただきます。
就業率は15年間で+10%超
(内閣府男女共同参画局より、以下同)
少子高齢化社会で15~64歳の生産人口年齢の人々が減少しつつある我が国。
生産年齢人口の男性は2008年以降減少が続いているのですが、女性についてはは2013年以降増加傾向にあります。(上図左)
また生産年齢人口で就職を希望する人々のうち実際に就職できた割合を示す就業率を見ると、ここ15年間で男性はほぼ横ばいだったのに対して、女性は10%以上もの伸びを見せています。(上図右)
浅くなりつつあるM字カーブ
また女性の就業について、我が国において特にクローズアップされるのが「M字カーブ」。
これは出産や子育てを経験する主として20代後半から30代後半にかけて女性の就労割合が減る現象で、女性の年代別に就労割合を見えるとちょうどMの字のような形態になることからその名が取られています。
1976年からの変化を見ると、現在もM字形態になっていますが、1985年の男女雇用機会均等法などで女性の社会進出が本格的に始まったことでその曲がり具合は次第に緩和されつつあります。
また、晩婚化を反映してか1976年では25~29歳がM字の底に対して、2016年では35~39歳がM字の底になっています。
伸びぬ上級管理職への登用
女性の勤続年数の長期化や男女の賃金格差も是正されつつあるのですが、まだまだ女性の社会進出が発展途上にあることを示すデータもあります。
それが民間企業の管理職に占める女性の割合。総務省の労働力調査(2012年)によると、管理職に占める女性の割合は11.6%という数値でした。
加えて厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2012年)によると、役職別に見ると係長相当職の割合が最も高くここ20年で10%近く伸びて14.4%となっています。しかし、それ以上の上級職ではさほど伸びず、課長相当職は7.9%、部長相当職では4.9%に留まっています。
家庭を選ぶなど様々事情はあることでしょうが、実際に就職し労働力として活躍する女性は着実に増えているものの依然としてガラスの天井があることが伺えてきます。
埼玉県の現状
一方我が埼玉県における女性の社会進出の状況はどうでしょう。
上記のように日本全体でM字カーブが緩和されつつあるものの、こと埼玉県内では30代の女性の就業率が66.7%と全国43位の低さになっておりややM字カーブの谷が深い状況になっています。(2015年)
また、女性管理職の割合についても帝国データバンク大宮支店が昨年8月に発表しています。
埼玉県内の企業における課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は平均 6.3%となり、2017年から 0.3 ポイント下がったということで、同社全体の調査平均(7.0%)よりも低い数値です。加えて、女性管理職の割合が今後増加すると答えた企業の割合は約25%にとどまりました。
ただ、企業規模別に見ると企業規模が小さいほど女性管理職の平均割合は高くなっているということです。