
こんばんは。
今回は毛呂山町のご紹介をお休みして、埼玉県のホットな情報をお伝えする日々是埼玉シリーズです。
飯能市でなかなか興味深いネタを見つけましたので、共有させていただきます。
ムーミンの世界がやってくる!
オープンがめっつぁめつぁ楽しみ
来年は2019年。
元号が変わるこの年は、熊谷市でラグビーW杯が開催されるなど一大イベントも埼玉県内では数多く行われますが、こんなものがオープンするのを皆様は覚えていらっしゃいますでしょうか?
飯能市の宮沢湖周辺で現在整備が進められているテーマパーク「メッツァ」が、来年3月にグランドオープンします。
ムーミン谷そのまま、ムーミンバレーパーク
フィンランド語で「森」を意味する同地は、フィンランド発祥で世界中で愛されているムーミンのテーマパーク。
後述するように北欧のライフスタイルを体験できる「メッツァビレッジ」とムーミンの物語を主題とした「ムーミンバレーパーク」に分かれており、このうち後者「ムーミンバレーパーク」は画像のようにムーミンの世界観を原作に忠実に再現した施設となります。
発表されているところでは、ムーミン一家が住む家を室内まで忠実に再現した「ムーミン屋敷」(画像左)や、体感モーフィングシアターの手法を用いてムーミンたちと冒険に出かける「海のオーケストラ号」(画像右)と言ったアトラクションが設けられる予定です。
こちらのムーミンバレーパークは有料ゾーンで、来年3月に開業する予定です。
北欧ライフを楽しむメッツァビレッジ
そんなムーミンバレーパークに先立ち、再来月11/9に先行して開業するのがメッツァビレッジです。
入場無料の同地は、自然はもちろんのこと、余白を楽しみ幸福感の高い北欧のライフスタイルを日常的に感じられるようにデザインされた空間となっています。
同地には数カ所のホールが設けられ、飲食店や日常雑貨などを扱う店舗が出店する予定です。
広々とした敷地ではオープンカフェが行われるだけでなく、
なんと湖をカヌーで散歩することもできるようです。
しかもカヌーはレンタルできるだけでなく、同地に設けられる工房で作ることもできます。こちらの工房ではカヌー以外にも家具や生活用品を作ることができるそうですよ。
このように買い物だけでなく、豊富な自然の中で工作体験やカヌーも楽しめるのがメッツァビレッジの特徴です。
地元のお店が堂々の出店
日本初進出のお店も多いものの…
ところでこのメッツァビレッジ。
主に商業エリアになるのですが、一体どんなお店が出店するのでしょうか。
今年4月に発表された第一弾では、主に本場・フィンランドのお店で、日本初進出となるお店が多く軒を連ねる予定とされていました。
2017年にインターナショナルチョコレートアワードを受賞し「北欧で一番美味しい」と言われるメルセデスショコラトリー(画像左)や、オーガニックやローチョコをキーワードに健康にいいチョコレートを目指したグーディオ(画像右)といった、フィンランドでも長年親しまれてきた食料品や雑貨のお店が出店するということです。
埼玉発祥のお店も出店!
そして、一昨日9/9に出店テナント第2弾が発表されたのですが、なんと埼玉発祥のお店がメッツァビレッジに出店するとのこと!
メッツァでぐっも!
日高市に本部を構える、埼玉県民なら知らない者はいない豚のテーマパークです。
埼玉の牧場で育てた銘柄豚「ゴールデンポーク」をその場でグリルしテイクアウトで楽しめるだけでなく、ドイツ農業協会主催の国際食品品質コンテストで金賞に輝いたソーセージなどの美味しい加工品も販売するということです。
地元の野菜を直販!
さらに敷地内に出店するベジタワーでは、地元飯能の新鮮野菜が販売されるとのこと。農薬・化学肥料を使わず野菜本来の味を楽しめると評判の、ひより農園の固定種野菜を購入できます。
他にも狭山茶の名店新井園本店が運営する武蔵利休が贅沢抹茶スイーツを提供、さらに前述したようなカヌーなどを製作する工房ソグベルグでは地元で採れる西川材を使用するなど、とにかく地域資源をふんだんに活用したテナントが軒を連ねる予定なのだということです。
幸せのテーマパークから感じる「三方よし」
ディズニーのゲートの隣に八百屋さん
今回の件は、メッツァという一大スポットで埼玉の名産をPRできるという点ももちろんですが、個人的に印象的なのが、地元の店舗や企業をテーマパーク内に取り込んでいるところ。
流石に本体のパークの中ではありませんが、例えば東京ディズニーランドなどのテーマパークにはパーク内はもちろん、その隣に地元のお店があるところは今までなかったことでしょう。
どれもそのパークを運営する企業が展開する商業施設が設けられていますが、これって言うなれば、ディズニーランドのゲートの隣に地元の八百屋さんがあるようなものなんですよね。
地域が主役ではなかった地域開発
テーマパークよりも大型ショッピングモールだと顕著ですが、よく地方に大型のショッピングモールができることで地元の商店街が大打撃を受けるということがあると思います。
それだけショッピングモールに客を奪われているということですが、考えてみると今までの地域振興というと、資本がある企業に開発を進めてもらってテナントまでその関連企業やパートナー企業で固めてもらうということが多く行われていたと感じます。
もちろんこうした開発によって潤う産業もあることでしょうし一概に悪とは言い切れないのですが、そこに地域の商店や企業が出る幕はありませんでした。
これが従来型の開発です。
近江商人の三方よし
商学部出身なのでどうしてもビジネス的な観点で見てしまうのですが、近江商人の三方よしって皆様ご存知ですか?
あまり仕事の話はして欲しくないのでしょうが、これは江戸時代に近江国を拠点にしていた商人が大切にしていた概念。
すなわち商品を売る「売り手」や自分たち「買い手」はもちろん、「世間」にとっても良い商売を実践せよという考えです。自分たちの利益だけでなく、その利益を地域の教育や公共事業にも使ってもらうことで、社会にも大きく貢献していたのが近江商人です。
今日でもこの三方よしは、ビジネスの現場で多くのビジネスマンの行動指針になっています。
今回の場合も、ムーミンのテーマパークということでメッツァやそこに訪れるお客はもちろん、その隣に出店する企業やお店もしっかりと利益を獲得できるチャンスをつかむことができて、地域に経済循環の可能性が生まれることが三方よしと言えます。
新たな地域開発のスタンダードに
あまり長く語りたくはないのですが、どうしてもこういった地域開発は地権や資本を握る開発側が力を持ってしまうもの。
今回はメッツァ側か地域側かどちらからアプローチしたかはわかりませんが、メッツァ側の深い理解がなければなし得なかったことと思います。
さすが幸福の国フィンランド発祥のテーマパークといったところでしょうが、このように顧客や自分たちの幸せだけでなく周囲の幸せを考え三方よしを実践しつつあるというのがメッツァの大きな特徴。
果たしてこうした周囲をも幸せにする開発がこれからの地域開発のスタンダードになるのか。メッツァの行く末に目が離せないですね。
以上長くなりましたが、11月にオープンするメッツァビレッジのご紹介でした!