【日々是埼玉】2023年度実質県内総生産1.4%成長ーぶぎん地域経済研究所が予測

ぶぎん地域経済研究所(さいたま市大宮区桜木町、小山和也代表取締役社長)はこのほど、2023年度の国内及び埼玉県内経済の見通しを公表した。

今年度の県内経済は内需主導で底堅く推移し、実質県内総生産を1.4%成長と見込む。

消費者物価上昇も経済下支えー国内経済の見通し

ロシアのウクライナ侵攻を受けての資源・穀物価格の上昇、中国(上海)ロックダウンなどによる物流の混乱、米国・欧州の物価高騰を受けた金融引締め政策への転換などから、昨年度の世界経済は減速に向かった。この中で国内では、新型コロナウイルス感染症への対応と経済活動の両立が徐々に進んだ。緩和的な財政・金融政策の下支え効果などから、国内経済は緩やかに持ち直しているという。

しかし、輸入物価の上昇を受けて消費者物価は上昇基調にあり、引き続き世界経済の悪化や食品価格などの上昇が見込まれる。

同感染症への対応と経済活動の両立が定着する中で、今年度の国内経済については内需主導で底堅く推移すると予測。雇用・所得環境の改善や財政政策による経済下支え効果が寄与し、個人消費の持ち直しや企業の設備投資の増加が見込まれるという。

実質国内総生産の成長率については、1.1%と予測した。

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内需主導で底堅く推移ー県内経済の見通し

今年度の県内経済については、国内経済の動きと同様に海外経済の下押し圧力や消費者物価上昇の影響を受けるものの、内需が主導する形で増加幅を縮小しつつも底堅く推移と同研究所では予測。

同研究所実施の企業経営動向調査(2022年10~12月)における業況判断BSIは-25と、前回7~9月期調査と比してマイナス幅が2ポイント拡大。足踏み状態で企業のマインドの回復は遅れていることが読み取れる。背景には、企業の販売価格の引き上げが広がるも、調査期間中に円安が進行したこともあり原材料・仕入価格の上昇に歯止めがかからず収益が圧迫されていることがあると分析している。

消費者態度指数をみても悪化傾向にあり、家計のマインドの回復も足踏み状態にある。

しかし、企業・家計ともコロナ禍で活動自体が抑制されていたことや財政政策での下支えもあったため、手許資金は相対的に高水準。同感染症への対応と経済活動の両立が定着する中で、雇用・所得環境の改善とも相まって、個人消費および設備投資は、伸び率を縮小しつつも、底堅く推移すると見込んだ。

実質県内総生産の成長率は1.4%増と予測した。

旅行・イベントなどで個人消費回復

個人消費については持ち直し、伸び率は1.5%と予測。

同感染症への対応と経済活動の両立が定着と雇用・所得環境の改善により、飲食・サービスや旅行、イベント関連を中心に消費活動の回復が続くと見込んだ。経済活動の活発化に伴い巣ごもり需要は弱まるものの、全国対比堅調に推移する県内人口やテレワークの浸透・定着が県内個人消費の下支え効果として寄与するとしている。

なお、住宅投資については横這いと予測。建築コストが上昇しているが、住宅減税の継続や割安な地価で居住性を重視した広めの住宅需要が根強く、県内住宅投資も底堅い。全国的には弱含みだが県内では横這いとした。

民間投資ニーズ根強く

民間投資については増加基調が続き、伸び率を3.5%と予測。

企業収益は原材料・仕入価格、電力料金等の上昇などの影響を受け、前年度を下回る見込。一方で、同研究所の企業経営動向調査における全産業ベースでの生産(販売)設備BSI(「過剰」―「不足」)では、2021年7~9月調査以降「不足超」が続く。こうした頃から、企業の能力増強投資ニーズは相応に強いと見られる。

また、コロナ禍において手控えられていた案件、人手不足を見越した省人化・省力化対応、DX化に向けた対応や脱炭素関連など幅広い分野への投資が見込まれる。加えて、EC需要増に対応した物流拠点の整備・拡充に向けた投資が底堅く推移すると予想。

公共投資などについては底堅く、公共投資の伸び率を2.0%、公的機関消費の伸び率を1.0%と予測。

公共事業については、防災・減災に向けた国土強靭化対策の着実な遂行が予想される。公的支出も高齢化の進展で医療費が増加していることなどから、底堅く推移すると予想している。

 

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