【日々是埼玉 2020/9/9】技術で難局挑む 和光精機が避難所用感染対策パーテーション開発

台風の発生時期となったが、コロナ禍において避難所での感染対策が急務となっている。

精密計測機器製造などを手掛ける和光精機(和光市新倉、齋藤正弘代表取締役)は、近隣地域の町工場と協力し避難所用飛沫感染対策パーテーション「エアトーレ+」を開発。コロナ渦の緊急災害対策として、必要とされる地方自治体へ寄付するプロジェクトをクラウドファンディング「CAMPFIRE」にて開始している。

和光精機について

(同社HPより)

1963年に創業した同社は、鍛圧機械向け金型位置決め装置ダイハイトインジケーター及び精密計測機器の専門企業。

超周期振動・フレームグランドによるノイズや急激な温度変化への耐久性に定評があり、製品の安定稼働と安定供給を強く意識して部品や作業工程の一つ一つにこだわりを持つ。

国内外問わず数多くプレスメーカーと取引があるが、原材料卸や金属加工やメプレス部品加工など多くの地域の数多くの中小企業にも支えられてきた。

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避難所用飛沫感染対策パーテーション「エアトーレ+」について

開発の経緯

日本では毎年のようにどこかで自然災害が起きているが、コロナ禍下の7月には豪雨災害が発生した。
その際に各自治体は懸命にソーシャルディスタンスを確保し、消毒も徹底しながら今ある資材をフル活用して限られたスペースでの避難所運営に努めていた。それでも避難所における新型コロナウイルスへの不安の声は根強い。

社会全体が同ウイルスの影響により非常に苦しい状況で、この苦境を「変革できるチャンス」と捉えた同社。自社で培ってきた技術を活かし、地域の町工場とタッグを組み「コロナに負けるな」を合言葉に立ち上がった。
同製品自体は同社の事業内容からはかけ離れていたが、自社の技術を生かして社会に対して貢献できる製品に挑戦しようという決意は揺らがなかった。

7月初旬から開発をスタートし、和光市危機管理室との打ち合わせや翌8月の同市内避難所開設運営訓練に参考展示。そこで得られた声をもとに、同製品が完成した。

製品特長

試行錯誤の末に完成した同製品は、軽量アルミでできたパイプの組み合わせにより様々な形に変形ができる。四方囲うタイプからL字型など高さ、横幅、奥行等同じ部品で対応できる。利用シーンに合わせることで、スペース有効活用につながる。

組み立ても差し込むだけで、分解して軽量コンパクトに長期保管できる。不織布を交換するだけでフレームは何度でも再利用できる。平時には、部品のパイプを活用して飛沫感染対策用の衝立や間仕切りとしても利用可能だ。

また完全には遮断しないことでプライベート空間を確保しながらも閉塞感を軽減、死角をなくし防犯対策にも有効。

壁面には100%植物由来の不織布を採用。抗菌・防臭・防炎等を備えながら廃棄する際の環境へ配慮、焼却時に地球温暖に影響を与えるCO2濃度を上昇させない。

なお同製品は自治体からの受注生産品で、サイズや台数により価格は異なる。

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自治体配布へ クラウドファンディングプロジェクト

同製品を全国の自治体に届けるべく、同社はCAMPFIREにおいてクラウドファンディングに乗り出している。

9/4〜9/30にかけて行われる同プロジェクトでは、同製品30台分の原材料製造加工費にあたる1,050,000円を目標金額とする。支援金額が35,000円増加するごとに、同製品を追加で1台製造するという。

各自治体への発送準備完了は10月中旬を予定(生産台数により変動)するが、今回発送するのはあくまで備蓄用で災害等の発生時には必要な自治体へ迅速に届けるとしている。

支援金額はリターンなしの1,000円・10,000円と金額に応じた数だけ卓上型パーテーション「エアトーレ」が送られる35,000円・50,000円・100,000円の5種類。

同プロジェクトやリターンなどの詳細については、CAMPFIRE内同プロジェクトページへ。

「今後も『ものづくりの力』そして、環境に配慮したSDGs に取組む企業として社会に貢献してまいります」と同社。

製品・防災備蓄に関する問い合わせ先

和光精機株式会社 営業部 齋藤大介さん

  • 電話:048-461-1073
  • メール:info@wako-seiki.com
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