
新型コロナウイルス感染拡大により発令され明後日5/6に期限を迎える緊急事態宣言に関して、政府は5/31までの期限延長を発表した。
これに伴い大野元裕埼玉県知事らは感染症専門家会議・第15回新型コロナウイルス対策本部会議を実施。
同宣言が延長される5/7以降の県の対応について取りまとめた。
埼玉県内での感染状況(5/3現在)
陽性者数の推移・分布
(県発表資料より、以下同)
5/3時点で埼玉県内での同ウイルス陽性者数は901名に上る。4月下旬には1日に50人以上感染が発覚することもあったが、ここ数日は1日あたり概ね15名程度に落ち着いている。
死者については38名となっている。
感染者数を市町村別に見ると、さいたま市や所沢市や川口市と人口の多い地域ほど感染者が多くなっている。
その反面で西部地区では感染者数がゼロの自治体もあり、東西で明暗が分かれている。
大宮周辺における人口増減状況(各日15時時点)
同宣言では8割以上の接触減を目指しているが、同宣言発令以降の大宮周辺の15時時点の人口増減状況を見る。(NTTドコモ「モバイル空間統計」に基づく)
日によって増減はあるが、同宣言前比で概ね4〜6割減となっている。
減少はしているものの、目標としている8割減には足りない状況が続く。
5/7以降の県の対応
今回緊急事態宣言が延長されたことに伴い、県では以下のような対応を実施・継続していく。
対象区域は県全域で実施期間は5/7〜5/31となる。
外出自粛継続ー現行の対応の継続
まず現行の対応の継続として、県民の皆様に対する外出自粛を要請する。出勤や生活必需品の買い出しや職場への出勤や運動・散歩など生活維持のために必要な場合を除き不要不急の自粛を要請する。
また学校や展示施設や遊技場など不特定多数の人が集まる施設を管理する事業者や当該施設を使用するイベント主催者に対し、施設の使用停止やイベントの開催停止の協力を要請する。
保育所や介護老人保健施設などの福祉施設を管理する事業者に対しても、適切な感染症防止対策を講じた上で事業の継続を要請する。
なお、保育所や放課後児童クラブについては必要なサービスが提供されるよう市町村にその縮小度合いについて検討するよう求めている。
その他の事業者等については適切な感染防止対策を講じた上で事業の継続を求めるが、飲食店での酒類の提供は引き続き午後7時までとする。
加えて、教育委員会に対し県立学校の休業(5/31まで)等を要請している。
県警に対処・啓発強化を要請ー新たな措置
同ウイルス感染症の拡大に乗じて、マスクの販売や特別定額給付金の支給を巡る詐欺事件や休業中の店舗を狙った窃盗など犯罪多発が懸念されている。現にマスクを送りつける詐欺商法も県内では報告されており、その懸念は現実のものとなりつつある。
そこで新型インフルエンザ等特別措置法第24条7項に基づき、埼玉県警察本部に対してこれらの事案への対策を更に強化するよう求めた。
価格の安定措置へー強化する取組
同宣言延長に伴い、同法第59条に基づき価格の安定措置を強化する。
4/8の緊急事態宣言発令後、県においてはスポーツ用品店がマスクを仕入価格の2倍で販売したり露天でマスクをゲリラ的に販売するといった事例に対して指導が行われてきた。
食品などに広範で異常な価格上昇はなく消費行動も全体として落ち着いた状況だが、マスクなど同ウイルス対策商品では悪質な販売事案もあり、さらに詳細な調査が求められる。
こうした商品も徐々に市場に出てきている中、これからは高値販売や不当表示などの監視・対策が特に重要と捉え、同措置強化に踏み切った。
具体的な強化策
監視にあたっては以下を重点監視品目とする。
- 食料品(米、鶏肉、牛乳等)
- 衛生用品(マスク、消毒液)
- その他、体温計など状況により随時
県職員(消費生活センターなど5カ所)・市町村(消費生活部門)・県民からの通報により引き続き監視を行う。これに消費生活相談員等(30人)に小売店等の監視を委嘱するとともに、職員応援をおこなうことで体制を強化する。
今後の対応策
高値販売や買占め・売惜しみといった不正販売行為について、消費生活条例25条に基づき適正価格での販売勧告や事業者名公表を実施するとしている。
マスク転売についても、県警察本部に通報し懲役・罰金刑を課すとした。(国民生活安定緊急措置法26条に基づく)
その他、 現行の諸法令も活用して悪質行為に躊躇なく対応する方針だ。
加えて立入調査・指導を更に徹底するなど監視・指導体制の強化も引き続き行われるという。